チーム医療で起きやすいトラブルと対策

患者の命を守るためには、医師、看護師、薬剤師など、様々な職種が協力する「チーム医療」が欠かせません。しかし、多職種のチームで働くからこそ、トラブルも起こりえます。今回は、そんなチーム医療で起きやすいトラブルとその対策について語っていきたいと思います。まず最も多いのが、情報伝達のミスです。多忙な業務の中では、口頭での申し送りやメモの共有が不十分になりがちです。患者の状態や処置の内容について、チーム内で正確な情報が共有されないと、ケアの遅れや医療ミスにつながる危険性があります。これを防ぐには、申し送りや記録は簡潔に、そして分かりやすく行うことを心がけ、重要な情報は必ず複数人で確認する習慣をつけましょう。次に、チームメンバー間のコミュニケーション不足も大きな問題です。それぞれが自分の業務に集中するあまり、他のスタッフが今どのような状況にいるのか、何に困っているのかが見えにくくなってしまうこともあるでしょう。これにより、助けを求めるタイミングが遅れたり、お互いの業務を理解できず不満が溜まったりすることがあります。定期的なミーティングや、休憩時間での何気ない会話を大切にすして、チーム内の風通しを良くし、お互いに助け合える関係を築きましょう。そして、意見の対立から衝突が起きることもしばしば。患者の治療方針やケアの方法について、専門職それぞれの立場から意見が異なることは当然なのです。しかし、そこで感情的になってしまうと、議論は建設的でなくなってしまいます。異なる意見を頭ごなしに否定するのではなく、相手の考えを一度受け入れ、なぜそう考えるのかを冷静に話し合う姿勢が大切です。お互いの専門性を尊重し、対話を通じて最善の解決策を見つけることが、より良いチーム医療につながります。